年中祭儀

夏越の大祓式

 知らず知らずのうちに犯した罪や穢を人形に移し、お祓いをして燃やしたあとに茅で編んだ茅の輪をくぐって、無病息災を祈願します。今年も大勢の参拝者がいらっしゃいました。

茅の輪(お清めの輪)

 茅の輪神事は、「ちのわしんじ」と読んで、他に「輪越祭」「茅輪くぐり」とも言われています。茅とは、管・薄の総称で、この輪をくぐり超えて罪や穢れを取り除き、心身が清らかになるようにお祈りをするものです。
 昔、素盞鳴尊(すさのおのみこと)が旅の途中で、蘇民将来(そみんしょうらい)巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟のところで宿を求められました。弟の巨旦将来は豊な生活をしていたのにそれを断りました。しかし、兄の蘇民将来は貧しい暮らしをしていたけれど素盞鳴尊をお泊めして、厚いおもてなしをしました。その後、何年かたって素盞鳴尊は再び蘇民将来の家を訪れて、「もし悪い病気が流行することがあったら、茅で輪を作って、腰につけていれば病気にかからないですむでしょう。」とお教えになりました。
 これから、「蘇民将来」と書いた紙を門にはっておくと災いを免れるという信仰が生まれました。茅の輪も、最初は人々が腰につけるほどの小さなものでしたが、時代がたつにつれて大きくなり、これをくぐって罪や穢れを取り除くようになりました。